「仕事が忙しいからといって睡眠時間を削るのは良くない。」
分かってはいるけれど、
忙しい時に「とりあえず寝る!」なんて難しいですよね。
この記事では、
睡眠不足がダメな理由から、
忙しい→睡眠時間を削る→仕事がはかどらず、さらに忙しい
という悪循環を抜け出す方法まで、解説します。
忙しい時ほど「睡眠不足はダメ」な理由
「時間が足りないから、睡眠時間を減らそう。」
仕事が忙しいと、まずは睡眠時間を犠牲にしてしまいがちですが、
実際にはこんなデメリットがあります。
集中力が下がる
集中力を司っている脳には、適切な「休息」が必要です。
脳を十分に休ませないせいで、集中力が下がるのです。
「睡眠の満足度」と「日中の集中」について調査した結果では、
睡眠に「大変満足している」人の大半は集中力を発揮できている一方、
睡眠に「まったく満足していない」人のほとんどは、集中できていません。
作業効率が下がる
集中力が下がると、
仕事のスピードが落ちてミスも増えるため、作業効率が下がります。
2018年のOECD(経済協力開発機構)のデータによると、
日本の睡眠時間は、各国の中で断トツの最下位。
そんな「世界一眠っていない日本」の1人当たりの労働生産性は、
OECD加盟37カ国中、26位。
アメリカの6割にも満たない、という驚きの結果です。
日本生産本部の資料をもとに作成
労働時間が増えても仕事が滞る
睡眠時間を削ると「効率」が下がります。
「効率」が多少落ちても、「時間」が増えるから、
結果的に仕事が進むはず!
と考え、つい睡眠時間を削ってしまうのですが、
それは間違っているようです。
実際、睡眠不足は国内総生産(GDP)を下げている
という調査結果があります。
つまり、睡眠時間を削ることによって、
「時間が増える」以上に「効率が落ちる」
ということが分かっているのです。
という悪循環が生まれてしまうのです。
仕事が忙しい時に、睡眠不足を解消する方法
よく寝た方が、結局仕事ははかどる。
分かってはいるものの、つい夜ふかしをしてしまう。
そんな時、どうやって睡眠不足を解消できるのか?
手軽にできる方法を紹介します。
寝室でスマホ禁止(おすすめ度★★★★★)
睡眠不足の原因・第2位はスマホ
それだけではありません。
睡眠不足の原因・第2位は、「ベッドや布団に入ってからのスマホ」。
「寝ながらスマホ」をしている、と答えています。
睡眠不足になっているのです。



睡眠不足が改善
→仕事がはかどる
→早く寝られる
という好循環を作ろう!
スマホは睡眠の量だけでなく質も下げる
寝ながらスマホのデメリットは、
単に眠るのが遅くなることだけではありません。
スマホから出るブルーライトは
脳を覚醒させ、睡眠ホルモンの分泌の邪魔をします。
つまり、眠るのが遅くなる+睡眠の質が落ちるのです。
暗い寝室でのスマホは、
特に高い比率のブルーライトが眼を直撃する、と言われています。
見るつもりがなくても、枕元にスマホがあると開いてしまいがち。
寝室にスマホは「持ち込み禁止」です。
「目覚まし時計」に起こしてもらうのがおすすめです。

朝日を浴びる(おすすめ度★★★★)
朝日を浴びることで、
朝スッキリ目が覚めるだけでなく、夜の寝つきも良くなります。
これは、メラトニンの性質によるものです。
脳の松果体と呼ばれる部分から分泌されるホルモン。
分泌量が増えることで睡眠を促します。
朝、光を浴びることでメラトニンの分泌がストップし(=覚醒する)、
14~16時間後に再びメラトニンが分泌される(=眠くなる)ように、
体内時計がセットされます。

夜、自然と眠くなる時間が決まるんだね!
生物が生まれつきそなえていると思われる、時間を測定するしくみのこと。
生物の睡眠や行動の周期に影響を与える。(Wikipediaより)
そもそも生物の体内のリズムは、正確に24時間周期で動いているわけではなく、
およそ25時間周期と言われています。
光を浴びてメラトニンを分泌させることで、
その「ズレ」がリセットされているのです。
そのため、朝日を浴びることは、
体内時計を整えるためにも、大切なことなのです。

夜に、明るい光を浴び過ぎると、
体内時計が乱れてしまうよ。
夜は部屋の照明を少し落とし、
寝る前に、明るいコンビニ等で過ごすことは控えましょう。
朝は、起きたら必ずカーテンを開けましょう。
ベランダや庭に出ると、さらに気持ちよく目が覚めます。
植物の水やりを、朝の習慣にするのもおすすめです。
【おすすめアイテム】
寝る直前に食事をしない(おすすめ度★★★)
仕事が終わるのが遅く、
遅い夕飯を食べ、急いで寝る…
そんな生活を送っていませんか?
寝る直前に食事をすると、睡眠の質が下がります。
充分に疲労回復できず、翌日に疲れが残ってしまうのです。
これは、成長ホルモンが分泌されなくなるため。
成長ホルモンは、睡眠中に分泌されることで
脳や体の疲れを回復させる効果があります。
しかし、成長ホルモンには、血糖値を上げる作用があるため、
満腹状態(血糖値が高い状態)では分泌されなくなります。
翌日をすっきり元気に過ごすため、
食事は寝る2時間以上前に済ませましょう。
寝だめをしない(おすすめ度★★★)
「平日は仕事で睡眠不足だから、休日は寝れるだけ寝たい」
そんな人も多いはず
しかし、残念ながら「寝だめ」で睡眠不足は解消されません。
寝だめによって睡眠のリズムが乱れ、翌週の睡眠の妨げとなっているのです。
大切なのは「安定した睡眠リズム」。
平日も休日も、睡眠時間を極力揃えます。
休日は「夜更し&寝だめをする」のではなく、
「早く寝て睡眠リズムを整える」ことを心掛けましょう。
最適な睡眠時間は人それぞれ
大多数の人は、7~9時間の睡眠時間が適切と言われています。
しかし中には、6時間未満の睡眠で平気な「ショートスリーパー」や、
9時間以上の睡眠が必要な「ロングスリーパー」と呼ばれる人もいます。
最適な睡眠時間は、人によって異なります。
休日と平日の睡眠時間を揃えた上で、
連続して「7時間」「7時間半」と、睡眠時間を調整してみて下さい。
「何だか最近頭が冴えてる」と実感できたら、
それがあなたの「最適な睡眠時間」です。
最後に
仕事の効率を上げるためには「十分な睡眠」が必要不可欠。
ゆっくり寝る余裕が無いほど忙しい時は、
まず寝室ではスマホ禁止!
寝付きを改善するのに一番手っ取り早く、おすすめです。
そして、睡眠のリズムや質を改善するため、
・朝日を浴びる
・寝だめをしない
・寝る直前に食事をしない
という習慣を始めてみて下さい。
という悪循環から抜け出し、
という好循環が生まれることを願っています。